競売せりうり)” の例文
それからといふものは、フアウヌスは次第に落ちぶれて行くばかりである。恥かがやかしい競売せりうりに遭ふ。日の目も当らない、五味だらけの隅に置かれて蜘蛛のいに掛かる。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
殊に科学者はておき哲学者といふ奴は多くは先哲の蓄音器である。少し毛色が違つたかと思つて能く/\聞くと妄想組織が脳に生じたのを白状してゐるざまだ。今の学者は例へば競売せりうり屋だ子。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)