空林庵くうりんあん)” の例文
開塾かいじゅく中は、次郎は、朝倉先生夫妻だけを空林庵くうりんあんに残して、本館の事務室につづく畳敷たたみじきの小さな部屋に、ひとりで寝起きすることにしているのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかし、かれの眼は、建ってまだ三年とはたたない本館や、空林庵くうりんあんを、無念そうに見まわしていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かれはいきなり立ちあがって、部屋の片隅かたすみにつみ重ねてあった細長い食卓しょくたくの一つを、陽あたりのいい窓ぎわにおくと、走るようにして空林庵くうりんあんに朝倉先生をむかえに行った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)