磅礴ばうはく)” の例文
彼は戯作げさくの価値を否定して「勧懲くわんちようの具」と称しながら、常に彼の中に磅礴ばうはくする芸術的感興に遭遇すると、忽ち不安を感じ出した。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まだ感傷癖こそ脱しなかつたが、彼の中には宗教の匂のするものが、もうふんだんに磅礴ばうはくしてゐた。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)