石上卿いそのかみのまえつきみの作ったものであるが、作者の伝は不明で、行幸せられた天皇も、荒木田久老ひさおいは、大宝二年太上天皇おおきみすめらみこと(持統天皇)が三河美濃に行幸あった時、近江にも立寄られたのだろうと云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)