希望のない生活がつづく。死が徐々にやってくる。ああ、太陽! まもなく、われわれはあのなつかしい光も見ずに、深海の盲目魚ブラインド・フィッシュのように、死ぬ。(九月十日記)
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)