盜人ぬすつと)” の例文
新字:盗人
「お前を九百九十兩の盜人ぬすつとだと思つてるわけぢやねえ。實は先廻りして、あの晩お前が家から一と足も出ない事を聞いて來たんだ」
それから柳橋へ行つてお通の茶店で見せびらかして、札止ふだどめは木場の春木屋だ。主人にも番頭にも小僧にも見せて、三千兩の盜人ぬすつとはこの手紙を
「よし、よし、これも念の爲だ。玉屋にも此處にも無く、外から盜人ぬすつとの入つた樣子も無いとすると、消えて無くなつたとでも思はなきやなるまい。こんな事で引あげようか、八」
盜人ぬすつとを嗅ぎ出して強請ゆすつたんぢやありませんか。それ位のことはやりかねない女だ」
「お角が、盜人ぬすつとを知つて居たでせうか、親分」