白嘴鴉みやまがらす)” の例文
白嘴鴉みやまがらすはカア/\と啼き、樂しげな鳥達は歌つた。しかし私自身の喜びの心程樂しげで音樂的なものは何もないのであつた。
そして私は今あの灰色の古い、神の家がおだやかに私の前にそびえ、その尖塔せんたふの周圍を一羽の白嘴鴉みやまがらすが舞ひ、その彼方の赤らんだ朝空の樣を思ひ浮べることが出來る。
その灰色の正面は、白嘴鴉みやまがらすの群を背景に、くつきりと浮き出してゐた。今その群は、啼きながら飛び立つた、さうして、廣い草原に下りようと、芝生しばふや庭を越えて、飛んで行つた。