田舎老爺いなかおやじ)” の例文
なんといっても相手がこの田舎老爺いなかおやじでは、お歯に合わないほどの金が要ると思うから、親切は有難く思っても、いっそう打悄れるのが関の山です。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ああ、それで安心を致しました、私は近頃、駒井の殿様の御家来分になった田舎老爺いなかおやじめにございまして」
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
厳しいというのは、その尋常な田舎老爺いなかおやじとしてのこしらえに比較してみて言うことで、なるほど、赤銅色しゃくどういろに黒ずんだ顔面の皮膚の下の筋肉は鋭いほどに引締っている。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)