犛牛ヤク)” の例文
犛牛ヤクの乾脂の燃える音が廊下を伝わってくる。ひょいとのぞくと、ケティが平らな顔をニタリニタリとさせながら、向うのケルミッシュの部屋のなかへ入ってゆく。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
とそこへ、麦粉ツアンバ犛牛ヤクのバタを焼く礼拝のにおいがするので、みると、いまいた高僧ギクーをはじめ大勢が祈っている。私が、あの峰をなぜ拝むのかと訊くと、その高僧がつぎのように語ってくれた。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
犛牛ヤクのミルクを飲み飲み、断崖のくぼみから、幹部連が泡だつ氷河をながめている。氷に、泡だつという形容はちと変であるが、この氷河の生きもの的性質を、説明するのはそれ以外にはない。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
犛牛ヤクをつらねたながい行列を、折竹らは大岸壁のうえからながめている。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私たちは、やがて犛牛ヤクをかり地獄の一本道をゆかねばならぬ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)