渡舟場わたしば)” の例文
と、あの時、弦之丞を待ちぼうけていた九条の渡舟場わたしばから、啓之助と宅助に捕まって、脇船の底になげこまれた時のこと。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神田大火の噂——駿河台も焼けたという話——などを小耳にはさんで、不安らしい色を浮かべていた虚無僧も一番あとから渡舟場わたしばを上がってきた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)