それでも彼はなお進もうとする、その顔には残酷醜悪な色がみなぎっている。二人の視線ははたと合って、互に屹立きつりつしたまま深讐仇敵しんしゅうきゅうてきのごとくに猛烈に睨み合った。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)