武蔵屋政吉むさしやまさきちという家だ、そこを訪ねて行けばお前さんを立派な堅気にしてくれるだろう、牢屋ろうやで五年お勤めをする気で、みっしり桶屋を稼ぐがいい、——分ったか
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)