もはや躊躇ちゅうちょすべき時でないと見た御隠居は、成瀬正肥なるせまさみつ田宮如雲たみやじょうんらと協議し、岩倉公の意見をもきいた上で、名古屋城に帰って、その日に年寄渡辺わたなべ新左衛門、城代格榊原勘解由さかきばらかげゆ
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)