本山荻舟もとやまてきしゅうというのは、世にも不思議な人物である。死の一週間前に脱稿した畢世ひっせいの大作『食物辞典』は、荻舟の名を不朽にするであろうが、私にとっての本山君はもっと重宝な存在であった。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
同じ社へはいった本山荻舟もとやまてきしゅう君は、私の二倍より多い四十五円だ。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)