山門六十二世の座主ざすであり、法性寺関白忠通ほっしょうじかんぱくただみちの第三子で、月輪禅定兼実つきのわぜんじょうかねざねとは兄弟でもあるので、粟田口の僧正といえば、天台の法門にも、院や内裏だいりの方面にも、格別な重さをもっていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)