続いて二十二日には同じく執政三人の署名した沙汰書を持たせて、曽我又左衛門そがまたざえもんというさむらいを上使につかわす。大名に対する将軍家の取扱いとしては、鄭重ていちょうをきわめたものであった。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)