ここにおいてや明治四十一、二年の頃より大正三、四年の頃まで浅草十二階下、日本橋浜町蠣殻町にほんばしはまちょうかきがらちょう辺に白首しろくびおびただしく巣を喰ひ芸者娼妓これがために顔色なかりき。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)