斜檣しゃしょう)” の例文
波止場と舷側げんそくとのあいだの、きたならしく光る水の帯が、幅をひろげていって、たどたどしい操作のうちに、汽船は船首の斜檣しゃしょうを沖合のほうへ向けた。
次第に吹き募る風を嫌って、外套にくるまったなり、彼は舳の斜檣しゃしょうのそばにたたずんで、眼の下の大きな滑らかな波のうねりの、ほの暗い動揺を見おろしていた。