戦慄をのの)” の例文
旧字:戰慄
それ等の畫面は、次から次へと、彼女の運命の前に戦慄をののいてゐる、小さな心のどこかへひそやかに入って居た。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
人間は、ただ、この迫つて来る力を前にして、恐れ、戦慄をののき、泣き、叫び、涙を流すだけなんだ。現実の批判と言つたつて、解釈と言つたつて、所詮、この号泣、叫びの一変形に過ぎないんだ。
道化芝居 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)