想念おもひ)” の例文
かうした景色に眼を止めながら、私は子供らしく樂しんでゐたが、その時曾て心に入つたことのない想念おもひに襲はれたのであつた。
それは、わたしが常不斷つねしじう、海にういて、大空を眺めてゐたらば——と思ふ、悠久たる想念おもひと合致した、實行の報告なので、さぞ、さこそ、さもさうあらうと、想像しても樂しかつた。
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
私が窓の傍に立つてゐた時に、最後に心に浮かんで來たあの想念おもひに歸つてゆくことさへ出來たら、何か思ひつきな智慧が、私を救ひに來てくれさうな氣がするのだつた。