悉皆すつか)” の例文
そんないきさつは悉皆すつかり忘れてゐて、今、随筆を書かうとして、ペンを執りあげたところが、これといふ材料もなくてぼんやりと、ペン先を見詰めてゐたところ
私の万年筆 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
彼女がドレスを着終るまでの動作を悉皆すつかり見極めてしまつた。
まぼろし (新字旧仮名) / 牧野信一(著)