恫愒どうかつ)” の例文
吾人あるいは恐るスタイン〔オーストリア国の博士〕千言の議論は、ビスマルクの一恫愒どうかつにも値するあたわざることを。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
第一、易介が姿を消したことだって、先刻さっきのロレンツ収縮の話と同じことですわ。その理学生に似た倒錯心理を、貴方の恫愒どうかつ訊問が作り出したのです
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ことに、昨年の算哲事件については、真斎を恫愒どうかつする具には供しているけれども、はたして彼の見解のごとく、本事件とは全然別個のものであろうか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
実をいうと、あれは僕の一番厭な恫愒どうかつ訊問なんだよ。真斎を見た瞬間に直感したものがあったので、応急に組み上げたのだったけれど、真実の目的と云えば、実はほかにあったのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)