御当物ごとうぶつ)” の例文
つまり、本来ならば、行燈そのものが化けて出そうなこの夕暮に、御当物ごとうぶつが化けそこのうて、身動きもできないで、しょんぼりとすくんでいるこの笑止さが、話にも、絵にもならないのです。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)