征矢野そやの)” の例文
行く手に小広い野があって、丘がいくつか連らなっていたが、その丘の向こうに征矢野そやのの屋敷が、どうやら立っているようであった。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「はい、ありがとう存じます。すぐ隣り村でございまして、征矢野そやのと申しますのがわたしの家で……あれ、ちょうど、家の者が……喜三や、ほんとに、何をしていたのだよ……」
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
謙恭温容の君子であったので、妻子家臣の悲嘆は殆ど言語に絶したもので、征矢野そやの孫兵衛、村上右門、知遇を受けた此両人などは、当時の国禁を窃に破って追腹を切った程である。
稚子法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)