それに、ようすが以前まえとはすっかり違ったね。非常におこるよ。いつだッたか僕が川島男爵夫人バロネスかわしまの事についてさ、少しからかいかけたら、まっ黒に怒って、あぶなく鉄拳てっけん頂戴ちょうだいする所さ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)