屯所たむろ)” の例文
「おい、雨露次とやら。きさまあ侍だな。いまの手なみは舟芸人の芸当じゃあるまい。……いや、そんなことは、あとで訊こう。とにかく屯所たむろまで来てもらおうか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか、うぬがいわぬなら、うぬの女房の口から訊こう。……ばかな亭主だ。ここで、すんなりと泥を吐いてしまえば、病人の女房も、痛い目にもあわず、すぐ屯所たむろから帰されるものを」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)