尫弱おうじゃく)” の例文
かれはこの尫弱おうじゃくな無名の若者の中に、その身を覆うていると想像される暗い影の中に、あの反抗心と絶望的な苦悩を持っているバイロン卿をえがこうとするのである。
少し離れたところには尫弱おうじゃくらしい宗伯が、さっきから丸薬をまろめるのに忙しい。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
鶴見が尫弱おうじゃくな小供で意気地のないことを諷して、後年に至るまで、姉は気性がすぐれていたといってよく誉めていた。それで見ると、姉が国に帰ったのはこの年もおそいころであったろうか。