尤物いつぶつ)” の例文
「したが、女中は山猿でも、当家の娘は竜宮の乙姫が世話に砕けたという尤物いつぶつ。京大阪にもちょっとあれだけの美人は御座るまいて」と黒い浪人は声をひそめながらもニコニコ顔で弁じ立てた。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)