彼の今住んでいる質子邸ちしやしきは、府中のおやかためぐる大路小路のうちでも、最も静かな少将之宮町しょうしょうのみやまちの一角にあった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)