森からそこへ縁附いた人の後に、小字経太郎こあざなみちたろう、寿専というのがあって、幼い時から学問を好んで、いて学ぶ師が皆驚くほどでした。家蔵の書を残りなくそらんじたのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)