寄筍恋下女恋きじゅんれんげじょれん等の題目についてるべし。猥䙝をして一味いひがたき哀愁の美たらしめしは為永ためなが一派の人情本なり。猥䙝を基礎として人生と社会を達観したるは川柳『末摘花すえつむはな』なり。
猥褻独問答 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)