家茂公いえもちこう)” の例文
金扇の馬印うまじるしを高くかかげて出発して来た江戸の方には、家茂公いえもちこうを失った後の上下のものがそでに絞る涙と、ことに江戸城奥向きでの尽きない悲嘆とが、帰東の公儀衆を待っていた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)