家根瓦やねがはら)” の例文
朝六時頃新宿駅に著くと、家根瓦やねがはらの上に霜が真白ましろに置いてゐた。今ごろなんだつてこんなにきびしい霜だらう。さうおもひながら僕は家に著いた。家には父母も妻も誰もゐなかつた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)