家人うちのもの)” の例文
家人うちのものが餌をやらないものだから、文鳥はとうとう死んでしまった。たのみもせぬものを籠へ入れて、しかも餌をやる義務さえ尽くさないのは残酷の至りだ」
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
文鳥は可愛想かわいそうな事を致しましたとあるばかりで家人うちのものが悪いとも残酷だともいっこう書いてなかった。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
書斎に帰ってから、あるいは昨日きのうのように、家人うちのものが籠を出しておきはせぬかと、ちょっと縁へ顔だけ出して見たら、はたして出してあった。その上餌も水も新しくなっていた。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)