室戸岬むろとざき)” の例文
一篇広告の隅々まで読み終りし頃は身体ようやく動揺になれて心地やゝすが/\しくなり、なかば身を起して窓外を見れば船は今室戸岬むろとざきを廻るなり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
自分よりは一つ年上の甥のRと二人で高知から室戸岬むろとざきまで往復四、五日の遠足をした。その頃はもちろん自動車はおろか乗合馬車もなく、また沿岸汽船の交通もなかった。
初旅 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
二十一日の早朝に中心が室戸岬むろとざき附近に上陸する頃には颱風として可能な発達の極度に近いと思わるる深度に達して室戸岬測候所の観測簿に六八四・〇ミリという今まで知られた最低の海面気圧の記録を
颱風雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)