その本陣の奥、燭台のひかりまばゆい一間の敷居に、いま、ぴたり手をついているのは、道中宰領どうちゅうさいりょうの柳生流師範代、安積玄心斎あさかげんしんさい
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
柳生一刀流師範代安積玄心斎あさかげんしんさい、谷大八ら、これは壺を失った当の責任者ですから、まったくもう眼の色かえて左膳の手もとをうかがっている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
安積玄心斎あさかげんしんさいはじめ供の者一同、いまだにこけ猿の茶壺の行方は知れず、かつは敵の本城へ単身乗りこんで行った若き主君の身を案じて、思案投げ首でいました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それよりも、源三郎つきの安積玄心斎あさかげんしんさい谷大八たにだいはち等は、いったい何をしておるのじゃッ!……と、頭ごなしにどなりつけられるかと主水正首をすくめて、今にも雷の落ちるのを待っている気持。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)