安祥あんしやう)” の例文
牛込見附外の大場石見といふのは安祥あんしやう旗本の押しも押されもせぬ家柄ですが、房州の所領に、苛斂誅求かれんちうきうの訴へがあつた爲に
安祥あんしやう以來の御家柄——安倍の御家が大事でせうか、それとも素姓も解らぬ奉公人のお勝が大事でせうか」
日頃目を掛けて居る安祥あんしやう旗本中でも家柄の赤井左門を使者に立てゝ、別に家光公直々の祈願文をしたゝめ、二千兩の大金と一緒に上方へ送ることになつて居たのです。
宇佐美直記といふのは三千五百石の大身で、旗本とは言ひながら安祥あんしやう以來の家柄、大公儀から格別の御會釋があり、當主は無役ではあるが、小大名ほどの暮しをしてをります。