浅野内匠頭あさのたくみのかみ家来、当時細川家ほそかわけに御預り中の大石内蔵助良雄おおいしくらのすけよしかつは、その障子をうしろにして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)