「五日まえのことです」と周防が云った、「久世くぜ侯、御存じでしょうか、将軍家側衆そばしゅうのひとりで、大和守広之やまとのかみひろゆきと申され、綱宗さま御家督のときから、いろいろ便宜をはからって下さるのですが」