大凡下だいぼんげ)” の例文
いや、みづから大凡下だいぼんげの一人としてゐるものである。君はあの菩提樹ぼだいじゆの下に「エトナのエムペドクレス」を論じ合つた二十年前を覚えてゐるであらう。
或旧友へ送る手記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この小説「大菩薩峠」全篇の主意とする処は、人間界の諸相を曲尽きょくじんして、大乗遊戯だいじょうゆげの境に参入するカルマ曼陀羅まんだらの面影を大凡下だいぼんげの筆にうつし見んとするにあり。
新聞の記事の大臣も民意を体したり、憲政を擁護したり、凡人たらざる半面を大いに示してゐるかと思へば、譃をついたり、金を盗んだり、大凡下だいぼんげたる半面さへやはり大に示してゐる。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)