垂綸いと)” の例文
下に小さな舟をつないで、一人の男がしきりに垂綸いとを見詰めている。一行の舟が、ゆるく波足なみあしを引いて、その前を通った時、この男はふと顔をあげて、久一さんと眼を見合せた。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)