土蔵相模どぞうさがみ)” の例文
旧字:土藏相模
この人は坂東しうか(今の中村吉右衛門のお父さん歌六の弟のしうかではない、もう一代前の有名な役者)と、品川の土蔵相模どぞうさがみという妓楼の娘との仲に出来た子だという。
「それはもう、若い方でございます。一度は皆んな土蔵相模どぞうさがみへお出でになりまして、そのうちでもお年を召した方が、大引け過ぎに半分ほど手前どもへお帰りになりました」
江の島へ行った帰り、遅くもないのに、土蔵相模どぞうさがみで一と晩遊んだ町内の若い者が五六人、スッカラカンになって、高輪たかなわの大木戸を越すと、いきなり声を掛けたものがあります。
「え、仲間の若い人たちは、前の晩から品川へ行って、土蔵相模どぞうさがみで遊んでいたそうで——」