土橋ドバシ)” の例文
難波ナンバ土橋ドバシ(今の叶橋カナフバシ)の西詰に、ヽヽといふ畳屋があつた。此家は古くから、日向に取引先があつたと見えて、土橋の下には、度々日向の炭船が著いてゐたさうである。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
私は思はぬ清い伴奏を、素浄瑠璃の会に聞き得て、すが/\しい幸福感を持つて家に帰つた。三十年昔の少年が、難波土橋ドバシの電車からおりて来たやうな、おちついた明るい気持ちであつた。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)