土室あなぐら)” の例文
其夜は其の花畑の下なる怪しき土室あなぐらにて雲烟、恍惚の境に遊び、天女の如き唐美人の妖術に夢の如く身を委せつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
番人の瘠せ枯れたる若き唐人、驚き喜びて迎へ入るゝに、下の土室あなぐらにて待兼ねたる黄駝の喜びは云ふも更なり。わが携へたる生胆を一眼見るよりは珍重なり。お手柄なり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)