神職講習会へ来ていた備前びぜん国幣中社安仁こくへいちゅうしゃやすひと神社の禰宜太美万彦ねぎふとみのよろずひこと云う者が、某日あるひ一人のつれとともにやって来た。万彦は宮地翁の机の傍にあった神仙記伝の原稿に眼をけた。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)