嘉言善行かげんぜんこう)” の例文
読んでしまって純一は覚えず微笑ほほえんだ。たとい性欲の為めにもせよ、利を図ることを忘れることの出来る女であったと云うのが、殆ど嘉言善行かげんぜんこうを見聞きしたような慰めを、自分に与えてくれるのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)