唯信ゆいしん)” の例文
そして唯信ゆいしんに面して、道のいよいよ遠いのを嘆かないわけにゆかなかったのであるが、いま不空羂索観音の前に立ってやはり同じ嘆きを覚ゆる。天平といえばわが史上の黄金時代である。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
また唯信ゆいしん殿がこの春あやまちを犯された時、お弟子衆でししゅうは皆破門するように勧められたのに、あなたは一人かばっておあげなされました。なぜ善鸞様にばかりきびしいのですか。私はわかりません。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)