そこから小艇に乗換えて插橋川そうきょうせんを遡行し、九万浦きゅうまんほ付近で上陸した洋夷の一隊は、自ら俄羅斯オロス国(ロシア)軍隊と揚言しつつ、忠清道徳川とくせん伽洞かどうにある大院君の父王、南延君球なんえんくんきゅうの陵に向った。
撥陵遠征隊 (新字新仮名) / 服部之総(著)