刀杖とうじょう)” の例文
当代、泰文ほど人に憎まれた男もすくないが、ただの一度も刀杖とうじょうの厄を受けず、思うぞんぶんに放埒な所業をつづけられたのは、そのへんにいわくがあるとみていい。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
当代、泰文ほど人に憎まれた男もすくないが、思うさま放埓な振舞いをしながら、ただの一度も刀杖とうじょうの厄を受けずにすんだのは、ひとえに異風の庇護によることであった。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)