円木まろき)” の例文
遣戸の中では、卑弥呼の眠りに気使いながら、二人の使部は、白鷺の尾羽根を周囲の壁となった円木まろきの隙に刺していた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
反絵は、恐怖の色を浮かべて逃げようとする反耶の身体を抱きかかえると、彼を円木まろきの壁へ投げつけた。反耶の頭は逆様さかさまに床を叩いて転落した。反絵は腰のつるぎをひき抜いた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そうして、きりきりと歯をきしませながら、円木まろきの隙に刺された白鷺の尾羽根を次ぎ次ぎに引き脱いては捨てていった。しかし、再び彼女は彼女を呼ぶ卑狗の大兄の声を聞きつけた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)